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読んだり、書いたりの日々
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その日も、タヌキの様子を伺う。
誰かを好きではない ということに気がついてしまう そんな瞬間がある それはね 誰かを好きになったときだ 誰かが悪いわけではない 誰かを嫌いになったわけでもない タヌキのことが好きなのだ 暗闇を歩こうが お天道様の下だろうが タヌキが好きだ タヌキのことを思うと 足が勝手に動き出す それくらい タヌキのことが好きなのだ タヌキは歌を詠むのがうまかった 切なく狂おしいような恋心など タヌキは巧みに歌にした タヌキの歌う 切なく狂おしい恋の歌に 私は、まんまと、恋をした 夢中になって タヌキの詠む歌を愛おしんだ いつのまにか しまいには タヌキの歌う 怒りや、気落ちしたような悲しみまでをも 愛おしむようになり ついぞ、私は、タヌキそのものを愛おしむようになった。 ときおり 人間の男が、私を連れて帰ろうとした でも、私は、軌道にはずれた回転が とてもとても気に入っていたから さらに軌道から離れるように 強く強く、タヌキのことを想いながら回転した タヌキ。朝も昼も夜もつぶやいた 森の中で暮らしていたタヌキ ネコのようでありながら イヌに近いタヌキ タヌキ、タヌキ、タヌキ いつか、タヌキの子を産みたいと 考えながら吹かれた北風は 毎日、午前2時ごろに タヌキの様子を伺う癖がついた 私の両の目を乾燥させた 十日夜の月がきれい。 PR 腕を回してみた 右とか左とか くるっと回してみたけれど 誰にもぶつからないし 誰もいない 舌を出してみた 回してみたり、すくいあげたり 上手に使えるよと呟いたけれど 誰も笑わないし 誰もいない 東京上空は、乾燥してる 湿った空気など、消えてしまった Kissで止めて 抱いて留めて 消えたくなる願望 本当の僕は何処にいる? 懐かしい国 新しい街 昨日の夢の中かしら いつも、いつでも、会いたい 覚めないで、覚めないで、と願うから すごく虚しい夢をみる 指を伸ばしてみた 掴んでみたり、鳴らしてみたり 空を虚しく撫でまわすけれど 誰も喜ばないし 誰もいない これは、悲しい詩なのであって これは、とても、悲しい詩だから 僕が、この詩を読み返すとき 僕は、きっと泣くんだろう 最後くらいハッピーにしろよぉ 机に転がったリップクリームが 甘い匂いをさせながら言った リップクリーム塗ってみた 上の唇にも、下の唇にも くるくる塗って、ちゅっちゅっと鳴らしたら 甘い匂いがしたから 誰もいなくても大丈夫 この乾燥した東京を リップクリームが救った 僕の中の優しい気持ちを リップクリームが蘇らせた リップクリームは枕に乗っかり いつの間にか眠っているから 僕も、隣で眠るとしよう そうして、明日は お願い。と一緒に眠ると決めて リップを、もうひと塗り 愛のない世界でゆっくり 嫌いのない世界でゆっくり さぁ、眠ろうね。
毎日、生命が求め合う
君を、僕を だから、忘れたようでいて 決して、忘れられないもの 僕らが愛し合う理由 大量のカフェインも 大げさな馬鹿笑いも どん底の悲しみも 満腹な夕飯も 忘れさせてくれない 僕らが愛し合う理由 君が、ラララと歌う 僕が、フフフと笑う 君が、ルルルと踊る 僕が、ぐっすり眠る それでも、朝がやってきて 今日も、生命が求め合う 君を、僕を たまにある、心変わり 時おり見かける、別の顔 それでも、生命が求め合う 君を、僕を 君は元気かい? 僕も元気だよ それが、僕らが愛し合う理由 明日も、生きていれば また君と愛し合う 口をとんがらせた君を想ったり 可愛いお尻を思い出して 僕の生命は君を求める 誰にも内緒だよ 僕らが愛し合う理由 毎日やってくる 僕らが愛し合う理由 そうして、続く、明日も、明日も 僕らが愛し合う理由 愛し合う理由
最後のない始まり
降り止まない雨に備え 降り始めてもいないのに 傘をさす右手 ちらりと覗く笑顔に嘘はない その柔らかな唇を 待っているのは 僕だけじゃないってことも 悲しいけれど嘘じゃない 最後が僕の肩を抱いて ―最後があるって、とても善いことなんだ。と、そう言った 最後があるから 人は、孤独に耐えられる 最後は僕の方に回した手で 優しく2回、トントンと リズム刻むように、トントンと 叩きながら呟いた 最後の言葉は 君にも聞こえたんだろうか 君を見たけれど 気がついていないみたいで やはり、笑顔は嘘じゃない 傘の中 ゆらゆらする タバコの煙 肺に溶ける 最後がない始まり そうやって始まった始まり 最後が、じゃあね。と手を振って 僕の傘から出て行った。 最後のない始まりだったから きりがない想いとか やるせない気持ちとか 明日で最後にしようと思ったら 最後がクルリと踵を返し 傘の中に戻ってきた 最後にすると決めたんだね 大丈夫、最後というものは とても善いことなんだから 最後がニヤリと笑ってる 慌てて君を見たけれど やはり気づかず笑顔のまま 僕と最後と君の物語は 明日で最後にしようと思う 最後の口が耳まで裂けて やがて僕を飲み込むんだから この傘ごと飲み込むんだから 私は、独りになった。 孤独。に飢えていたのだった。 見て見ぬふりで、やり過ごした この途方もない飢えをしのぐように 孤独を飲み込んだ。 次から次へと、飲めるだけ飲んだ。 場所を変え、姿勢を変え 朝となく、夜となく 出来うる限り大きな口で ゴクゴクと喉を鳴らしながら 大量の孤独を飲み続けた。 もう、これ以上は飲めない。 そう思うのに5年かかった。 ある日、孤独と一緒に原宿に行った。 駅の中で、それは美しい女性のポスターを見た。 吉永小百合さん。と、孤独が言った。 そうだ、吉永小百合さんだ。 とても美しいね、小百合さん。言いながら孤独を見やると、いつの間にか、いつの間にだろうか、孤独はポスターのすぐそばに立っていた。 そうして、私に手招きした。おいでおいでと。 此処に行こうか?と、孤独が誘ってくれた。 この5年あまりで、孤独のほうから 何処かへ行こうと誘ってくれたことは 後にも先にも無かったので 私は、ひどく興奮してしまい 行く、行く、行きます。と言って 高らかに右手を挙げたあと、子どもじみた自分の反応に生命の躍動を感じた。 私達が向かった先は信州だった。 あさまという新幹線に孤独と2人で乗り込んだ。 ホームのキヨスクで、孤独は蜜柑を買いこみ いくつかの蜜柑の中から1番美味しそうなひとつを取り出すと、自分のポケットにしまいこんだ。 あさまが、ホームに入る頃 残りの蜜柑は、私の手の中にあった。 小粒だけど、 皮がパンとしていて美味しそうな蜜柑 孤独は、列車に乗ったことがなかったのか どうしても、窓際に座りたいというので どうせ、私は、すぐ眠ってしまうのだから 快く窓際を譲って、さっそく蜜柑を口に入れた。 孤独は、この5年間、いついかなる時も律儀であったが、列車の中でも、やはり律儀であった。 孤独は、律儀な上に、この5年間.いついかなる時も陰日向なく孤独なのであったから 君は、驚くほど律儀だ。と言ってみたら 孤独は、窓の外を眺めたまま呟くように話し出した。 私は、孤独として、孤独を守ることに、なるたけ私利私欲を挟まず真心を持って尽くしています。 そういえば、この5年間、私は孤独から、いろんなことを教わった。 暗い闇の中で、焼けたアスファルトの上で、冷たいコンクリートの部屋で、愛する者に裏切られているような時でも、孤独は律儀であった。 誠実であるということは きっと、そのようなことだろうね そう言いながら、重くなったまぶたを開けていられなくなり、孤独の肩に頭をのっけて、私は少し眠ることにした。 しばらくして、蜜柑の皮の苦いような匂いが ぷんと鼻先に香ったので うっすらと目を開いてみたら 孤独が目の前に蜜柑を差し出して もうすぐ着くよ。と笑った。 孤独の肩に頭を乗せたまま 半分こにされた蜜柑を受け取り口に入れた ちょうどいい甘さが喉を潤してくれた。 ゴクリと喉を鳴らして最後の一房を食べ終えたら いまのが、最後の孤独だよ。と呟いた。 わかっていたのだ 私には、わかっていた。 この旅が孤独との最後の旅になるということも 吉永小百合さんのポスターを見た時から 私には、わかっていたのだ。 孤独が誠実で律儀であるということも もう、私には孤独が必要ないということも すーっと涙がこぼれてしまった。 それは、ただの、執着だね。 孤独が見透かしたように言い放った。 いつのまに、私はこんなにも 孤独に執着してしまったのだろうか それでも、孤独の肩から頭を離すことはできなくて トントントンと少し揺れるような列車の振動に 何にも聞こえなかったふりして目を閉じる。 しばらくして 列車は終点に私たちを運び 孤独は、聞いたこともないような大きな声で 私の手をとって言いました。 回復しました。 そうして、跡形もなく消えていったので とにかく、そばを食べようかなと 改札を出て歩き出した。 回復しました。と呟きながら 吉永小百合さんのポスターの前を通過。 |
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