忍者ブログ
読んだり、書いたりの日々
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

祈るなんて、簡単なことだ。


気をつけて、行ってらっしゃい。

お帰りなさい、お疲れ様でした。

ゆっくり休んで、ご苦労様です。


そんな言葉、すべて、すべてが
祈りの言葉なのだから

まぁ、大きくなったわね。

あら、立派になって。

少し、ホッとできましたね。


ほら、そこいらじゅうに転がっているのさ
労い、という祈りや
思いやり、という祈り

ときには、嘘。という名で呼ばれるような
非常に繊細な祈りもあるし

いただきます。
ごちそうさま。
ありがとう。

君は、ときおり
ありがとうなんて言わなくていい。
そんな風に言うけれど
当たり前のことをしてるだけだ。とか言うけれど

それは、日常の中に在る
私の祈りの生活なのだから
どうか、好き勝手に祈らせて欲しいのだ。


朝、目が覚めた
一瞬期待した、生まれ変わっていないかと
でも、やはり、また私だった。

毎朝、毎朝、私は私であること認識し
私であることを覚悟して
私ではない誰かになることを諦める

その繰り返しの中において
誰かのことを祈る時間というものは
素晴らしく贅沢で、少し甘い。

そして、夜の闇の中に進むとき
私ではない誰かに対するあこがれを胸に抱き
両の目を閉じるのだ。

その瞬間に君を想って。

拍手[0回]

PR
贅沢だなと思うことがたくさんあった
それは、これからも、そうなんだろう。

たまたま、この国に生まれたわけですが
たまたま、この時代に生まれたわけですが

そんなことに、意味があると思わないし
意味のないこととも思わない。

ただ、現在を生きようとする情熱が
未来をはぐくんでいるのだし
未来に恋い焦がれる気持ちが
過去を見つめる優しいまなざしとなる
その優しさで、現在の私が在ることも
理解できるのだから、年をとるということは
それは、素晴らしいことだ
それは、奇跡のようなことだ

そうだ、昨日よりも1日長く生きた今の私は
奇跡のような存在なのだから
それは、誰でもそうなのだから

自分を出し惜しみするのはよそうと思う
自分に手を抜くのもやめようと思う
自分をないがしろにすることも
自分を不当に扱うことも
やめだ、やめだ、真っ平御免。

私は、日々の中で思う
人は錯乱しているからこそ生きられるのだと
錯乱がもたらす夢や恋や愛
錯乱するからこその希望や勇気

起きて眠るように
錯乱して混乱する毎日を繰り返し
今日の稼ぎを計算してはうつむいて
明日の予定を蹴っ飛ばすように夜更かしする

男女の平等などを問うたところで
それもまた意味のないことであった
なにしろ、身体の構造が違うのだから
我々は平等になどなれないのだ

いろんな違いを、そっと、そのまま、ほったらかしに
昨日食べたものさえも思い出せないのだから
気にすることないさ、放り出してしまおう
夢と希望、恋や友情を
それでも、明日の朝に生きているのだったら
ちゃんと笑って精一杯に生きようと思う
明後日のことなど考えずに、眠ることにして

拍手[0回]

ひっかかる
心の片隅に結ばれる羨望

結ばれて、結ばれて
わだかまりや
わずかの縁などと結ばれながら

いつのまにやら
結ぼれて
凝固する羨望が
新しい関係を創るのだ

結ぼれる先に見つけた
あなたと私の関係

あなたらしさとか
わたしらしさとか
知るためには背骨から
まずは、背骨を確かめあうこと

あなたが、私の重要な人ならば
あなたを構成する
背骨の形を見なくては
あなたの本質はわからないもの

私の背骨をなぞったら
昔に蛇だったことがわかるのだから
隠すまい、蛇であった過去を

あぁ、あなたの背骨は
どんなふうに、くねくねとくねるのだろう

水面の流れと私が結ばれ
そのまま水底に沈んだり
また水面に浮いてみたり

1本の川なのに
深さが違うことを知る

水の中から見る雲や
水の中から聴く歌も

私の背骨に結ばれて
羨望やわだかまりや
わずかの縁と結ばれて

特別なあなたと私になる

拍手[0回]

右足が扁平足らしい

そんな風に指摘されると
さらに扁平が増してゆく気がする

足裏を見やる

なるほど、たしかに
左足に比べるとアーチがボンヤリしている

慌ててタオルを足指で
キュッキュッとたくし寄せたりしてみる

「無理すんなよ」
左足裏が呟いた

右足裏は、土踏まずをキュッと上げて
「大丈夫よ、わたしは大丈夫」と言い
さらに、タオルをキュッとたくしてみせる

右足裏のいじらしさに
わたしはキューンとなる

私も、この右足裏のような
いじらしさが備わっていたならば

今ごろは、と思ったところで
ハッと我に帰り

また、足裏を見やる

ふんふん、さっきに比べたら
間違いなく土踏まずがキュッとなってきた

なんとも言えぬ達成感であるけれど
さっきから、左足裏が
やけに淋しそうなので
右足裏と左足裏をくっつけてみたら
小さな土踏まずが
キュッキュッと音をたてながら
わいてきた、虫がわくように、わいてきた

小さな土踏まずらは
私の周りをクルクルと
狂ったように回っていたけれど
あんまり五月蠅いから
クルクル回ってる
数個の土踏まずを蹴飛ばしたら
キャーキャー言いながら消えていった

扁平足の蟲たちが懐かしくなって
扁平蟲と呼んでみた
ベランダやトイレの中も呼んでみた

扁平蟲は、何度呼んでも帰って来なかった。

だから、私の右足裏はね
明日も、明後日も、扁平足のまま

あぁ、午前2時あたりの匂いが立ち込める
午前2時に包まれて眠ろう

そして、まだ
左足裏と右足裏は、繋がっていたし
扁平蟲の生まれる声も
足下で聞こえていたから
少しワクワクして眠った
 

拍手[0回]

金田一春彦の、ことばの歳時記を読んでいたら

北風が吹いて骨の髄まで凍りそうな晩は、おでんが恋しくなる。とあった。

おでんかぁ、とつぶやいたら
メールの着信音がした

いま、ミッドタウンにいるよ。唐突にただそれだけ

件名を確認してもなにもない

私の好きな場所だ
其処に居るんだ

それ以上でも以下でもなく

其処に居るんだ。という言葉が浮かぶので

其処に居るんだ。と声にしてみた


もう、会わなくなって
どれくらいだろう
こないだのような
ずっと、遠い昔のような
さだかなのに、さだかではないほうが
とても心地良いのだから
ほんわかしたり
ふわふわしたり
そうゆうものが、私は好きだ、何事においても。


いまから、行くね。でもなく
今日は、行けないの。でもなく

いいな、ミッドタウン。とつぶやいて
パタリと閉じる。


閉じた電話が鳴った
躊躇することなく出た

いま、何してた?と、いつもの声
躊躇することなく
なぁんにもしてない。
洗い物しながら答えてみる

ミッドタウンのことを考えながら

寒いから、おでんもいいなと考えながら

あぁ、ふっくら艶々とした
真っ白なご飯を炊こうと決心する

誰でもない、自分のために。

拍手[1回]



Copyright (C) 2005-2006 SAMURAI-FACTORY ALL RIGHTS RESERVED.
忍者ブログ [PR]
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
HN:
とっこ
性別:
女性
職業:
クリエイター
趣味:
本を読むこと あてもなく歩くこと
自己紹介:
とっこです
詩を書いています
バーコード
ブログ内検索
P R