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心の闇と、好きの塊について考察しました。


私が書いたり考えたりするのは

庭の盆栽の手入れをしたり
玄関のプランターに花を植えたり
飼い犬を可愛がったり
飼い猫を甘やかしたり

そういうのと同じ理由です。

好きだから、しかも、たまらなく好きだから。



さて、新宿を歩いていたけど、雨だったから
正直、水たまりが怖かった。

そんなこと、生まれて一度も考えたことなかった。

くらい新宿には慣れたけれど
この暗がりで、水たまりを避ける
放射されたものの蓄積を
この水たまりに見ているわたし。

街は暗くても怖くない
暗闇は私たちを壊したりはしないから
でも、心に在る暗闇はちがう
それは、私たちを壊してしまう、確実に。

溢れる情報が、時に心の暗闇を広げてしまう場合があることを

そうね、30分ほど前に痛感しました。

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本当に大切なものは案外と重いものだ。


ギコギコと引き戸を開けてギコギコ閉める。
なんでこんなに思い扉をつけたのだろう、家のど真ん中に。

開けたり閉めたりを繰り返すたびに身体になじんできた重さ
ギコギコ閉めて、ふと顔を上げる
大好きなステンドグラスの窓が私の目の高さに組み込まれている
左端の方に少し隙間がある、中途半端に。

なんで、きちんと寸法を測ってくれなかったのかしら
この窓をねだったときに夫は高いからあきらめろと言った
だめよだめよだめよ!
大好きなものに囲まれて暮らすのよ!
それには、この窓が必要不可欠なのよ、と私は泣いた。

それから数日して、大きな箱が黒いねこのマークのトラックに乗っかり
我が家に運び込まれたのだ。

夫がしてやったりの顔で言う
オークションで手に入れた、元の値段の1/5だった。

ここのところ、彼が寝室にやってくるのが遅かったのは
私のためにオークションに参加していたからだったのだ

ありがとう!ありがとう!
わたしはそこいらへんを飛び回った
子供みたいに、子供たちが呆れるくらいに。


僕らの家だからね。
夫のしてやったりの声がしたのに

振り向くと誰もいなかった。


いつもの本棚の前に行くと、夫が笑ってる写真の中で。

私たちの家だものね、写真に話しかけた。


しっかし、この窓の左端のすきま風ったらひゅうひゅう
中途半端な優しさと、詰めの甘さが夫みたい


だから、ドアを開け閉めするたび文句を言って
左端のすきまから洗面所を覗いてみる
夫が髭をそっているのが見える
夫が髪を撫でつけているのが見える
夫が私を見つけて笑っている顔が見える


だから、淋しくなんかないの
私には、ギコギコと重くて窓の左端にすきまがある
古いこの扉があるから。


僕らの、私たちの、夫婦にとって
本当に大切なものは案外と重たくって
時に抱えきれなかったり開かなかったりするけれど
私はそれでも、あの人の妻で
あの人はそれでも、私の夫


さぁ、図書館に行きましょう
カウンターから一番遠い棚の一番下から
順番に借りれるだけ借りると決めたのだから


帰り道、夫のナップサックが背中でとても重かった
ねぇ、お父さん(私は夫をそう呼んでいた)
お父さんのナップサックは重いわね
大切なものは案外と重いのね
そんなことを話しかけるようにしながら帰ってきた。


あんまり背中の荷物が重いので家に帰ったとたんしりもちをついた
背中の荷物をおろしてみたら古臭いナップサック
中をあけたら読みもしないような本がたくさん入っていた。



私は少し途方に暮れた。

夕焼けは少しオレンジだった。

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吉川英治記念館というのが青梅にあるので
行ってきました、素敵でした。

私が初めて彼の名を知ったのは
ラジオから流れる「吉川英治名作選・私本太平記」だったと記憶しています。

新・平家物語や、新書太閤記なども有名ですよね。。

当時の庄屋であった野村家から譲り受けた家に
彼は家族と疎開していたそうです。

疎開先の吉野村(現青梅)で、吉川一家は村人と強い絆で結ばれ
終戦後、吉野村を去るにあたってのお別れ会には
村人が300人集まったのだそうです。

もともと庄屋であった野村家の母屋はそれは立派です
蘭窓の飾りや障子の細工にしばらく見とれていました。

紅しだれ(モミジ)の美しいさったらなかったです
特に、母屋から眺める紅しだれは
ゆるやかな丸みを帯びていながらも
少しばかり尖ったように自己主張をしていました。

母屋の隣にある書斎で彼は作品を書いていたそうです。

「人の声が好きなんです」
「人が話してる声がね、好きなんですね」

記念館に流れるDVDから
彼のそんな言葉が聞こえてきました。

あぁ、なるほど、それでこのように大きなガラスの窓なのか
彼が、手を休めては妻や子供らの声のする庭を
目を細めて眺めていた様子がイメージされました。

「僕はね、喜んでもらいたくて書いてるんです。みんなが僕の作品を読んで楽しんでくれることが嬉しいんです」

そんな言葉も流れてきました。

あぁ!英治ったら!
ブラボー!ダンディー!
ちょっと桂三枝みたいだけど
いらっしゃーい。って声が聴こえそうだけど

庭にある大きな椎の木が
彼の生前の写真の中にあった
私が、先ほどみてきた椎の木と比べると
同じ木だとは思えなかった。

木も年をとるんだな。

記念館を出るときにもう一度椎の木に挨拶した
すごく渋い木になったんだねぇ
良い年のとりかたしたねぇ
そんなことを心の中で思いながら…

この椎の木のそばで
彼は妻にお茶を立てさせ楽しんだという

愛する妻と美しい庭に可愛い子供たち
河合玉堂や杉本健吉との刺激的な交流
意欲的な仕事に対する姿勢
とにかく、非常に魅力的な男である。

村人に愛され続けた彼は
とっくの昔に青梅の人ではないのに
現在、青梅市の名誉市民である。

人と土地との縁というものも感じた時間だった。

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すごく険しい物言いのお母さんが私の隣に座っています。正直、とても怖い。

大声というわけではないけれど

聞いてますか?
は?わかるでしょ、そのくらい

いやいや、書くとたいしたことないな。
しかしながら、隣で聞いていると怖いです。
言い方に棘があって怖い
鼻息が荒い

この鼻息が荒い。というのは、なかなかにいい得ているなと思う言葉です。

呼吸が荒いということは
吸うと吐くが荒々しいということで
呼吸で調節している体内の気圧が
わっさわっさっ変動してしまいますから
すぐ、カッとなったり
とたんに泣き出したり
理由もなく不機嫌だったり
無性に腹が立ったりするのだから

鼻息が荒い人には近づくなかれ。なのだ。

まぁ、ここ一発やるぞ!という場合で、周囲もそのくらいの鼻息なら問題ないだろうな

あぁ、そうか
わたしゃ、いま疲れてるのね、きっと。
しかも、お腹すいてるしなぁ
だから、鼻息が荒い人が怖いのか
素直な反応だな。

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「朝のこと」

ジャーッ
トントントントン
ちーん
ザクッザクッ

電話の紐がよじれて絡まる
気がついた人が真っ直ぐにする

バチャパチャ
ぱたん
シャシャシャ
ばたん

昨日書いた手紙を鞄にしまう
秘かに続けている文通、もう1年になる

チクタクチクタク
ミーンミンミン

忘れ物はない?
行ってらっしゃい

信号を待つ、薬院六つ角で
交換日記を渡された
なにが書いてあるかしら


「昼のこと」

何度繋げようとしても繋がらないものがある
文明が妨げている、しんごうを、しんどうを

大地が枯れる
私は伸びゆく

時間は短縮され
きもちはおいてけぼり

幼稚園バスが来る
朝顔がしぼんでうなだれる

昨日の約束は?
飛行機で飛ばしたんだね、君か、君のお母さんが。


「夕方のこと」

奥さん、できましたよ。

あら、ありがとう、早いわね。

いえいえ、もともとのつくりがしっかりしていましたからね

なによ、棟梁うまいこといって

笑っているなぁ

おばはんが笑っている

おっさんも笑っているんだなぁ

夕方になると、人は笑うけれど、いったいどうしたことだろう

夕方にどんな力があるとゆうのだろうか

夕方の手は何本あるのかしら?
足は何本かしら?

夕方は短いけれど多くの人を笑わすから

私なら夕方になりたい。



「夜のこと」

夜なんか来なくていいのに

まぁ、そう言いなさんなとやってくる


ねむらんよ

まだまだねむくないんだから

ねむらんったら、ねむらんよ

卑怯なかあさんは背中をトントンするよ

やめて、やめてよ

眠ってしまうから

はいはいと、かあさんは笑っている

とうさんは、まだかえらない

とうさんは、どこいらへんを歩いているんかな?

夜のばかちん、もうねてしまうよ、いよいよねてしまうよ

まだ、とうさんを見とらんのに、僕はねてしまうんだ

布団が重いけど、もうこえが出ませんよ

とうさん、お土産かってくるかな

もう、だめみたい、ねるみたい


おやすみなさい、また明日ね。

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