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我々が選択する
自分で自由に選択していると思い込んでいること

今日のお昼は何を食べようとか
帰りは電車にしようかなとか

それが本当に自由なのか
ねぇ、疑わしいものだ

そう思いながら
冷麦をゆでてみた
数本の緑と黄色の麺をつまんで食べた

幸せでも不幸せでもない
ただ、満たされた

食欲、性欲、睡眠欲
それが満たされるときに
其処に幸福はあるのだろうか?
其処に幸福を求める必要性はあるのだろうか?

ただ満たされる
それのどこがいけないのだろう

ひとりの人間が磔になった姿を見た
その男が祀り上げられている神話は
世界中でベストセラー、いまも売れ続けている

本当のことなど分かりはしない
誰にも証明できない、公理も数理もない
人間の営みにそんなものはない

誰にとっても、自分以外のすべてのことは
空虚で無価値なことだろう
だから、私も決心した

不幸のために幸福を諦めるのはよそう
苦痛のために快楽を諦めるのはよそう
悲しみのために喜びを捨てるのはよそう

自分を誰が作ったかもわからないような
つまらない、せまい、そんな殻に押し込めても
けっきょく、才能がそこから自分を連れ出してゆくのだ
自分の才能が我々を励ますのだ

君の才能が君を励まし
君に教えてくれるのだ

捨てねばならばい欲望などないということ

ほうら、ほら、ほら
そんなこと考えているから
冷麦がさっきから減っていない
早く食べて仕事に行く準備をしなさい
私は私に言って聞かせた。

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胸の前で腕を組みたくなる時
人は自分の胸のうちを見せたくないとか
胸の内に踏み込まれたくない場合が多い

もう何時間もメールひとつもこないから
どうにもならない不安感を抱えていたら
連呼して私を呼ぶ、携帯電話が
開いたら、有難いマックの割引とdocomoの優待

人は何故、他者とつながっていたいのか
それを考察していたから
他者と数時間つながらないだけで
世界の一番深い場所にポトンと落とされたような
そんな感情を抱いた自分に気がついて笑えた

自分で選択した孤独が
ときおり、こうやって自分の首を絞めるのだ

独りじゃないんだから
いつでもそばにいるなんてことを
人は誰かに言うことがある
それはもちろん私だってそうなんだし

新宿駅のまえで歌ってる人たちは
何処を見てるかわからない顔で歌っていた
なにも訴えていない顔で歌っていたから
歌わされているんだなと思った

むかし、むかし、子供の頃に見た歌手は
魂を絞り出すように歌っていた
あれこそが歌うことだと思わせるように歌っていた
祖母はその人のことを「お嬢」と呼んでいた

むかし、むかし、子供のころに見た
泣きながらピアノを弾く人もいたし
怒りにまかせてギターを弾く人もいた

音楽は芸術なのだから怒りや悲しみが付随するのは当然のことだ
しかしながら、どうだろう、なんだろう
この新宿駅前で何処を見ているのかわからない若者は
なにを歌っているのだろう?
なにを歌わされているんだろう?

この世で一番やさしかった祖父を思い出す
私のカレーライスを世界一だといった
彼は小さくて痩せていてちょこんと座っている老人だった
あまり喋らないのにいつもいつも笑っていた
私は彼のために唄ったり踊ったりした
そのたびに「うまいうまい」と笑ってくれた
彼が彼岸に旅立って三年後
ある夜、ふらりと私のところにやってきた
何もしゃべらず将棋をさした
目が覚めたら彼の姿はなかったけれど
部屋に少し彼の匂いが残っていた

思いっきり気持ちを相手にぶつけて
思ってることもいないこともぶちまける
親子喧嘩や夫婦喧嘩や兄弟喧嘩
愛しあっているから喧嘩しているということに
当事者は気がつかない

去年までとは別の世界みたいだ
新宿も、恵比寿も、六本木も別世界みたいだ

君がハンドルを握る姿を思い出してみる
鼻歌など歌いながらカーブを曲がる姿を思い浮かべる
こういうことを考えているときでも思い浮かべられる

大人になって気がついたのは
人間はいくつになっても反抗するのだということ
次の時代や古い時代に逆らうのだということ

ものわかりのいい人間でなんかいられない
このまんまで終わってたまるかよ
まだまだやれる
もうやれなくても
それでも、ヨロヨロと立ち上がって
人間は生命に逆らって
夢をみる、恋をする、明日を待つ

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東京芸術大学美術館
私のとても好きな美術館だ。

此処で行われている「香り展」に行った。

香りの日本文化・聖徳太子から王朝貴族へ
香道と香りの道具
香りの日本文化・武家から庶民へ
絵画の香り

4つのブースで展開されていた
1歩踏み込んだとたんに香が漂う会場内
大人の女性がたくさん行き交っていた平日の午後。

白檀を触って匂いを嗅ぐこともできた
伽羅の美しい姿に惚れ惚れした
香木を使って作られた仏像たち
たしかに、有難いものと良い匂いの合体は
人々の精神の安定や向上には大切なこと
それは、いまの時代でも、なお。

人々が、いかに匂い(香)を大切にしてきたか
道具箱のきらびやかなことや
水彩画や浮世絵などにもはっきりと示されていて
あぁ、情緒ある生き方というものは
いつの世にも必要なのだと痛感

香が表現されている絵画においては
なんともエロティックで優しい雰囲気が
何かしらを香らせているようだった

「あぁ、君の匂いがする、良い匂いだ」

そんなことを好きな男に言われたら
どんなにか幸福だろう
帰り道、絵の中の女たちと世間話をしながらお茶の水で別れた。
 

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レンブラント/光の探求・闇の誘惑を見た。

「光と影の巨匠」と形容されるレンブラント
この展覧会は「黒い版画」「淡い色の紙」「キアロスクーロ」
3つのブースで展開される。

和紙を使って版画を制作するレンブラント
やたらと自画像を制作するレンブラント
光と闇に固執するようにも見せるレンブラント

その版をじっと見やる
それはそれは細かい仕事ぶり
レンブラントの自画像に「あんたって人は」と突っ込みたくなった。

そのくらい細かい。

私は、ただの美術館好きなので
絵画の技法や版画の技法などよくわからない
調べて此処に書く必要もなかろう
それは専門家にお任せしたほうが美しいことだから

では、私と彼(レンブラント)が向き合っていた
その60分あまりの時間
私の中に渦巻いた言葉をご紹介します。

光と闇にとりつかれたのだろうか?
この男は本当にそんなものに取りつかれたのか?
実のところ、金持ちだったこの男は
多くの色に翻弄されていたのではないだろうか
あまりにも多く存在する色合い
いくらでも金を出せば手に入る絵具に
もうすっかりうんざりしていたのではないかしら?
とりつかれるとか、執着などではなく

新しい世界を求めるように黒い版画を作る

私は、そんな気がしたよ
黒い版画の中に
君が生きているという証のところの
君の生命が見えていたから。

かなり有名だと思われる「3本の十字架」という作品を含み
キリスト関連の作品が多い
この時代にも、この国でも、人々がそれを好んだことがうかがえる
中世にキリスト教が落とした暗い影
ひょっとしたら、君はそういうものさえも感じていたのかしら?

そうして、その中に在る純粋な
愛。という光をも見つめていたのかしら?

そんな大げさなことはないね、きっと。

あれだけの技法で作品を作りだしたのだから
少しばかり、技術にも陶酔していただろうし

肖像画、それもたくさんの人々が登場する肖像画も
彼の真骨頂とされている。

その作品をじっと見る

ねぇ、レンブラント
あなたは、人間が好きなのね
でも、きっと上手に表現できなくて
あなたが、その心を一番上手に表現できたのが
描くこと、作ること、だったのね。

人間を表現したかった
そのためには、自然も闇も光も表現する必要があった
なーんとなく、そんな風に思いながら
じゃ、どうもありがとう。と一礼した、彼の肖像画に。

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なんという孤独感だろう、生きるって。


生きているとね、生きているとただそれだけで
吸うとか吐くなんかと、おなじように
善も悪も、美も醜も、幸も不幸も、やってくる。

先日までは雨でしたが
本日は晴れ間なんかも見えたりして
降ってみたり止んでみたり
晴れてみたり曇ってみたり
空が、自由に呼吸しています。

最初から、最後なんか、わからない。
最後から、最初には、さかのぼれない。

私の精神は歪んでいるようには思えないけれど
けっして、真っ直ぐであるようにも思えない

真っ直ぐなんてものを見たことがあるかい?
あるんだったら見せておくれよ
その真っ直ぐっていうやつを

心配してくれる人、励ましてくれる人
けっきょく、みんな、優しい人なんです。ということ

人と人との繋がりって大切にしなければいけないって
そんな風に教室でも家庭でも
僕ら教えられてきたじゃない?
でもね、あれって、やっぱり正解です。

人と人は必ず繋がる必要はないけれど
もしも、ほんの少しでも繋がったのならば
それは、大切にしなければならない

人は、人とのかかわりの中で
言い換えれば、人と人との間において
苦しんだり、楽しんだり、悲しんだり、必死になったりします
その瞬間、瞬間、すべてが生きているという証明

僕らは、生きる途中に死ぬんだと思う
「死は生の途中に在る」
そんな風に、あの人が言いましたから
その瞬間、自分が求め続けていた
「なにかしら」を見つけた気がしました。

みなさんも、そのように感じた一瞬が?

震災の夜、余震の続く日々
その中で感じたのは
自分が、紛れもなく地球の一部だということ
荒れ狂う海や、吹きすさぶ風と同じに
舞い散る木の葉や、咲き誇る花のように
地球の中に存在する自然の一部だと痛感しています。

であるならば、愛しあわねばならない
人は愛を知っているのだから
人が人であるために、僕らが僕ららしくあるために
愛し合おう、僕ら人間なんだから
本能に任せて愛し合おう

愛を咲き誇らせて舞い散らせながら
荒れ狂わせて飛んでいってしまおう
生の途中にある死のためにも

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