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胸の前で腕を組みたくなる時
人は自分の胸のうちを見せたくないとか
胸の内に踏み込まれたくない場合が多い

もう何時間もメールひとつもこないから
どうにもならない不安感を抱えていたら
連呼して私を呼ぶ、携帯電話が
開いたら、有難いマックの割引とdocomoの優待

人は何故、他者とつながっていたいのか
それを考察していたから
他者と数時間つながらないだけで
世界の一番深い場所にポトンと落とされたような
そんな感情を抱いた自分に気がついて笑えた

自分で選択した孤独が
ときおり、こうやって自分の首を絞めるのだ

独りじゃないんだから
いつでもそばにいるなんてことを
人は誰かに言うことがある
それはもちろん私だってそうなんだし

新宿駅のまえで歌ってる人たちは
何処を見てるかわからない顔で歌っていた
なにも訴えていない顔で歌っていたから
歌わされているんだなと思った

むかし、むかし、子供の頃に見た歌手は
魂を絞り出すように歌っていた
あれこそが歌うことだと思わせるように歌っていた
祖母はその人のことを「お嬢」と呼んでいた

むかし、むかし、子供のころに見た
泣きながらピアノを弾く人もいたし
怒りにまかせてギターを弾く人もいた

音楽は芸術なのだから怒りや悲しみが付随するのは当然のことだ
しかしながら、どうだろう、なんだろう
この新宿駅前で何処を見ているのかわからない若者は
なにを歌っているのだろう?
なにを歌わされているんだろう?

この世で一番やさしかった祖父を思い出す
私のカレーライスを世界一だといった
彼は小さくて痩せていてちょこんと座っている老人だった
あまり喋らないのにいつもいつも笑っていた
私は彼のために唄ったり踊ったりした
そのたびに「うまいうまい」と笑ってくれた
彼が彼岸に旅立って三年後
ある夜、ふらりと私のところにやってきた
何もしゃべらず将棋をさした
目が覚めたら彼の姿はなかったけれど
部屋に少し彼の匂いが残っていた

思いっきり気持ちを相手にぶつけて
思ってることもいないこともぶちまける
親子喧嘩や夫婦喧嘩や兄弟喧嘩
愛しあっているから喧嘩しているということに
当事者は気がつかない

去年までとは別の世界みたいだ
新宿も、恵比寿も、六本木も別世界みたいだ

君がハンドルを握る姿を思い出してみる
鼻歌など歌いながらカーブを曲がる姿を思い浮かべる
こういうことを考えているときでも思い浮かべられる

大人になって気がついたのは
人間はいくつになっても反抗するのだということ
次の時代や古い時代に逆らうのだということ

ものわかりのいい人間でなんかいられない
このまんまで終わってたまるかよ
まだまだやれる
もうやれなくても
それでも、ヨロヨロと立ち上がって
人間は生命に逆らって
夢をみる、恋をする、明日を待つ

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